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2026.07.11更新

第41回日本白内障屈折矯正手術学会(JSCRS)学術総会に参加いたしました(レポート)

2026年6月26~28日、東京・有楽町にある東京国際フォーラムにて、第41回日本白内障屈折矯正手術学会(JSCRS)学術総会が開催されました。当院から会長:安里 良盛先生,理事長:安里 良先生,おもろまち・糸満院検査部から3名,看護部1名が参加いたしました。


今回、総会長を務めるのは六本木眼科院長: 柴琢也先生です。学術総会テーマは『Ready to Fly(飛び立つ準備はできた)』です。『Ready to Fly』には二つの思いが込められており、一つは、白内障・屈折矯正という分野そのものが、技術も手術の手法も成熟し、次のステージへ飛び立つ準備が整ったということです。もう一つは、若い医師や研究者へのメッセージです。日本には世界からも評価される技術があります。学術総会が次世代へ技術を引き継ぎ、若手が自分で新しい価値を生み出す挑戦の滑走路になればと願っています。(記事一部抜粋)

【6月26日】
一日目、学会初日。私自身、初めて行く東京国際フォーラムへ到着。近未来的なデザイン、まるで迷路のような造りとあまりの広さに驚きました。各階でセミナーが行われており、議題はIOL・ICL症例、術中実践ポイントや、消毒方法、眼内レンズ特性、度数計算、最新機器紹介等、様々な発表が行われていました。参加人数は約2,000人といわれ、動画セミナー等でよく見かける有名な先生、世界で活躍されている先生、海外から参加した外国人の先生の講演を視聴し、多くの学びを得ました。

(山根アイクリニック馬車道院長:山根 真先生 六本木眼科院長:柴 琢也先生)
 

セミナーの合間に企業展示会に参加しました。当院でも使用している機器のメーカーさんも多数参加しており、最新機器のデモ体験をさせてもらいました。以下にまとめます。
「OA-1」小児の近視進行管理に適した機器で、眼軸長を高精度・非接触で測定。大人でもAL測定可能。実際に私も測りましたが簡単に自身の眼軸長と同じ値が出て驚きました。

「tixeli」わずか2分のMGD治療。約400°に熱せられたチタン合金のチップをまぶたに一瞬当てるだけで、マイボーム腺内で固まった油分を温めて溶かします。体験して、まるで光脱毛を行なっているような感覚。痛みもほぼなく一瞬で終わりました。コラゲーンの生成など美容効果もあり。

「Eyerising」オーストラリアの企業が開発した近視進行抑制治療(レッドライト療法)に使用される医療機器です。低出力の赤い光を1日2回、1回3分間眼に照射することで眼球の伸びを抑え、近視の進行を緩和すること効果が期待されます。体験後は光のモヤが少々残るだけでした。光を見るだけで近視抑制ができるのは驚きでした。

「DREAM OCT」特徴は前眼部・網膜OCT、OCTA高速且つ、高解像度で撮影可能。また最大175°広範囲で撮影ができるので造影剤注射をすることなく、患者様に負担をかけずに微細な血管構造を鮮明に可視化できます。体験して、機器に顎をのせた後は全てパソコンで操作。目をしばらく開けるだけで終了。写真はまるで花火のように鮮明に写っていました。まさに次世代の機器、技術の進歩に感銘しました。

展示会参加後、イブニングセミナーを最後に、全てのプログラムが終了し、先生率いる一同会食へ。食事を楽しみながら本日の振り返りや、直近の出来事を話し合い先生、スタッフ同士親睦を深める事ができました。

 

【6月27日】

二日目、モーニングセミナーが終わり第二部の講演が始まりました。座長を務めるのは順天堂大学准教授:中谷 智先生。議題は「こだわりの強い患者様・説明が伝わりにくい患者様にどう向き合う?」です。4名の先生による演説が行われ、当院から安里 良先生が発表されました。タイトルは『高齢患者様への説明ポイント』です。以下に内容をまとめます。

(当院理事長:安里 良先生)
まず最初に、日本WHOから65歳以上を高齢者と位置付けられています。65歳〜74歳までが前期高齢者。75歳以上を後期高齢者とされています。認知身体機能が同じ年齢であっても1人、1人理解力が異なる事や視覚機能の変化、視力・コントラスト感度低下。緑内障、糖尿病網膜症、黄斑上膜、加齢黄斑変性など疾患の関与。上記の説明に加え、多焦点眼内レンズ適応の慎重な判断が必要とされます。また、眼内レンズの種類の多さやモノビジョン、カスタムマッチ等見え方の選択肢が多いほど患者様の判断が難しくなり、結果的に「先生にお任せします。」が、今でもあるという事です。
身体的特性、認知心理的特性、社会的特性。3つの項目の一方通行の説明だと患者様の真のニーズを引き出せない、「分かりました。」が本当の理解とは限らないという事です。
(発表様子を撮影。会場も満席でした)

続いて、当院で眼内レンズ選択で行なっている3つの説明ポイントです。
1つ目は、患者様を知る・患者様に知ってもらう事です。当院で採用している術前アンケートを用いて生活スタイルを把握します。趣味、スポーツ、職業、運転の有無、家族構成やキーパーソンの把握。事細かく情報を聞き出す事により患者様にあったレンズを導く事が出来ます。車社会の沖縄では運転の有無は特に重要です。

2つ目は、専門用語を使わず説明する事です。患者様へ分かりやすく伝える為、絵や、紙媒体を用いて説明します。模型を使用し、白内障のメカニズムや手術流れを解説したり、検眼枠を使用した遠・中・近方シミュレーションや、企業様が提供しているビジョンシミュレーターを活用し説明を行っています。特に近方シミュレーション(30cm前後)は重要で、近くに合わせてもある程度遠くや、全体が見えると思っている患者様も多いので、この段階で見え方を実体験させ、遠方は眼鏡が必ず必要だと伝えています。

3つ目は、スタッフの育成・確認事項を共有する事です。患者様の満足度、理解度を上げるにはスタッフの育成が必要不可欠です。当院では80名を超えるスタッフが在籍しており、定期的に各企業様が提供している薬剤、眼内レンズ、眼鏡・コンタクトレンズ等含む商材の知識、活用方法を勉強会を開き学んでおります。また、年に1回自身が興味がある学会に参加し、知識を身につけ研鑽に励んでおります。
確認事項では、上記1.2を踏まえて相互説明した事を振り返り、単焦点、多焦点レンズの金額を前もって提示し、メリット・デメリットを伝え、ご本人、ご家族へ丁寧に説明を行い意思確認後、署名をいただいております。重要なのは患者様がご納得されるまで親身になって何度も説明する事です。また、スタッフが担当医師に現状を直接共有する事でよりレンズ選択の判断や、理解力向上に繋がり、術後の不満や、トラブルを回避できると考えております。

以上が、安里 良先生の発表まとめになります。発表後も座長、4人の先生による質疑応答、ディスカッションが続き、会場全体大きな拍手とともに講演が終了しました。

その後、全プログラムが終了し先生率いる一同会食へ。会場は「六本木ヒルズタワー」地上から51階の見晴らしがとても素敵なレストランでした。会場には数多くの先生がいらしており、食事をしながら情報交換や、交流を楽しまれていらっしゃいました。

 

【6月28日】
三日目、学会最終日。私はモーニングセミナー5 に参加しました。座長を務めるのは六本木眼科:柴 琢也先生。議題は「スペシャリストが導くReady to Fly 2026〜白内障・ICL・ドライアイ」です。以下に内容をまとめます。

白内障のテーマからASUCAアイクリニック仙台マークワン: 野口 三太朗先生の発表です。従来IOL手術前の消毒に使用されるイソジンや希釈液がありますが、オゾン水を使用した消毒方法の紹介がございました。
ポイントは消毒性・洗浄効果の高さ。角膜障害発生率を下げる。ヨード使用した洗浄に比べ術後視力の立ち上がりが良い。抗炎症作用で炎症を抑える効果があるとの事でした。
また、野口先生と株式会社イナミさんが共同開発したFornixウォッシャーは通常の洗眼や洗浄では届かない結膜嚢深部の洗浄を可能とし、さらに、術野を泡で洗うという事ができる。次世代の術後眼内炎予防に感銘を受けました。

ICLのテーマからアイクリニック東京サピアタワー: 北澤 世志博先生の発表です。北澤先生が開発したセッティング鑷子、ローディング鑷子、マニピュレーター からなるいわゆる「ICL3種の神器」の紹介がございました。
北澤氏セッティング鑷子:先端部がとても細くなっており、内側には波状のセレーションが施されていることにより、レンズを優しく掴むことが可能。1本でセッティングと摘出両方に使える最適な鑷子。
北澤氏ローディング鑷子:先端部内側に施したブロック状のセレーションと滑り止め加工により、ICLを装填する際に滑りにくい。
北澤氏ICLマニピュレーター:先端部は従来品よりもややシャープに設計されており、1mm以下の小さなサイドポートから挿入可能。裏面の滑り止め加工により虹彩の下に入れやすく、レンズの回転や固定をスムーズに行えるのが特徴。

ドライアイテーマから伊藤医院: 有田玲子先生の発表です。TFOS DEWS IIIをはじめとする最新のドライアイ診療ガイドラインを踏まえ、 これからのドライアイ診療の方向性のご紹介がございました。
現在、プレミアムレンズを選択する患者様は年々多く、視力や見え方にこだわる方が多数で、ドライアイによる術後視力、見え方に不満を抱く方もいます。改善ポイントは術前4週〜8週の間に病態を知り、個別化治療を行い眼表面を最適化し手術を行うこと。治療は点眼は勿論、ドライアイ治療に適した機器を使用する。中でも「アイドラ」は涙の量、BUT、マイボーム腺の状態、涙液メニスカス高、角膜や結膜の状態を調べるのに優れている。最近だとMGD治療に行われているIPL(強力パルス光治療)を使用した治療法もドライアイ改善に期待されている。手術後、4週目にアイドラを使用し評価、デバイス治療で眼表面を最適化し、眼表面を清潔に保つ事で視力や見え方がよくなり結果、患者様の満足度を高める事ができる。

以上がまとめになります。その後もプログラムは続き、正午に閉会式を終え、第41回JSCRS学術総会が終了しました。

【感想】
今回、初めて国内の学会に参加させて頂きました。数多くの先生方、COの皆様の日々の努力、研究成果にとても感銘しました。普段聞き慣れていない用語や、消毒方法、計算式、レンズ特性、検査の仕方、商材の活用方法、機械の種類・操作方法、学ぶ事が多くとても有意義な3日間でした。
学会2日目は当院理事長:安里 良先生の発表を、生で大きな会場で視聴でき、改めて初心を忘れず、しっかり患者様に向き合って業務に励もう!そう感じました。これからも患者様が満足していただけるよう日々精進いたします。この度は、学会に参加させて頂きありがとうございました。

糸満院 検査部: 山城

 
 
 

投稿者: 安里眼科

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