
緑内障とは
緑内障とは、眼球内の圧力によって視神経が障害されたために視野が徐々に欠けていく病気です。多くが慢性でゆっくりと進行しますが、急性の場合には急速に病状が悪化することもあります。
国内で治療中の緑内障患者は、約54万人(2005年厚生労働省調べ)緑内障への関心が高まってきた事により、受診者数は増えてきています。
しかし、潜在的な緑内障患者は、その10倍以上とも言われています。最近の調査では、40歳以上の約5%の人が緑内障と報告されています。
多くの人が緑内障と気付かずに治療を受けていません。その理由は、緑内障は自覚症状がほとんどないためです。
視神経は障害され始めると次々と壊れていきますが、半分以上壊れるまで自覚症状が現れません。緑内障と気付く頃には、病気がかなり進行しており、最悪の場合は失明に至ります。視神経は一度障害されると元に戻りません。
しかし、薬物療法、レーザー治療、手術等で緑内障の進行を遅らせる事ができるようになってきました。そのためにもできるだけ早期発見が重要です。
緑内障は先天的な原因がある発達緑内障、緑内障以外の病気・外傷・薬の副作用が原因で起こる続発緑内障、原因が分からない原発緑内障の3つに分類されます。緑内障患者の90%以上が原発緑内障です。












視野障害

視野とは、一点を見たまま目を動かさないで見える範囲のことです。片目を閉じた場合の視野は、上が60°、下が75°、鼻側が60°、耳側が100°程度です。
しかし緑内障になると、視野が欠けて狭くなっていきます。視野の欠け方には個人差がありますが、多くの場合、まず視野の中心部の周囲に弓形の暗点(まったく見えない部分)が出現します。
病気が進行すると、中心部分を迂回して見えない範囲が広がり、後期には視野の中心のみ、もしくは耳側のみが残存します。その残った視野すらも失われると失明ということになります。
また、視力の中心である中心窩の網膜には、錐体細胞(視力が強く色を見分ける細胞)が多く存在し、それ以外は血管さえ存在しないという特殊な構造になっています。そのため、中心窩の機能が失われると、他の部分の網膜は健康でも視力は極端に低下してしまいます。
しかし、実際にものを見る時には、両目で見たり目を動かすことによって視野欠損部を補うため、初期段階で視野異常を自覚することはほとんどなく、中期段階でも気づかないことが多いといわれています。
視野異常を自覚した時には、視神経障害あるいは視野障害がすでに相当進行してしまっています。
| 初期 | 目の中心からやや外れたところに暗点ができます。 自分自身で異常に気づくことはありません。 |
|---|---|
| 中期 | 暗点が拡大し、視野欠損が広がり始めます。 しかし、この段階でも片方の目によって補われるため、異常に気づかないことが多いようです。 |
| 後期 | 視野は更に狭くなり視力も悪くなって、日常生活にも支障をきたすようになります。 さらに放置すると失明に至ります。 |
診断の流れ
緑内障による視機能障害の発生と悪化、進行を防止するためには、疾患の早期診断と適切な評価が重要となります。そのためには、詳細な問診と眼圧、隅角、眼底、視野などの検査を適切に行い、緑内障の病型と病期(重症度)を正しく評価することが必要です。
また、慢性型の緑内障は初期には自覚症状がほとんどなく、視野欠損や視力低下などの症状がみられた場合には、かなり症状が進行していると考えられるため、緑内障の診断では初期症状を見通さないことが重要となります。
緑内障の診断は、下記のフローチャートを参考に行われます。

視野検査はとても大切です。
人は両目で物を見ているので片方の眼を隠さないと視野に異常があるかどうかはわかりません。視神経の障害や緑内障などの眼疾患では、片眼だけが障害されたり左右の眼の障害の程度が違ったりします。したがって視野検査は片眼ずつ行います。
視野を正確に知る事はとても大切です。
目の病気を診断するだけでなく、時には頭蓋内の病気を発見する事もあります。また、病状を把握したり、治療効果を確認したり、ひいては手術の可否を判断する材料として用いる事もあります。
視野検査は、眼科領域においてとても有用でよく行われるものです。そしてその結果は、眼の状態を知るための大切な内容を多く含んでいます。
当院では、医師、スタッフ共々、初めての方でも分かりやすく、充分な説明ができる様常に心がけております。
ご不明な点は何なりとお尋ね下さい。
定期的な検診で、大切な眼の健康を維持しましょう。
緑内障の治療方法
薬物療法
眼圧を下げるための点眼薬を用いて行います。これは主に房水の生産量の減少・流れをよくする薬になります。まずは1種類の薬からはじめ、様子を見ながら薬の変更又は2~3種類を併用します。
点眼薬だけで効果が得られない場合には、内服薬も同時に服用することもあります。
点眼時の注意点
- 点眼の回数・量を守る
- 点眼後は、目頭を軽く押さえる
- 2種類以上の点眼薬がある場合は、5分程度間隔を開ける
レーザー治療
レーザーで虹彩に穴を開けるもしくは、線維柱帯にレーザーをあて房水の流れを促進させます。入院の必要もなく、他の手術に比べ安全性に優れ、痛みも少ないです。
線維柱帯切開術
目詰まりを起こしている線維柱帯を切開し、本来の流出路であるシュレム管に房水を戻す手術です。
線維柱帯切除術
線維柱帯の一部分を切除し、流れが悪くなった房水の出口を新たに作る手術です。
隅角癒着解離術
隅角が狭くなることで起こる、線維柱帯と虹彩の癒着部分を剥がす手術です。
低侵襲緑内障手術「iStent inject W」(アイステントインジェクトダブリュー)
「iStent inject W(アイステントインジェクトダブリュー)」は、Glaukos社よりリリースされている緑内障の進行を抑えるために眼圧を下げる低侵襲緑内障手術(MIGS)用デバイスです。
医療用チタン製の極小(全長約0.36mm)のステント2本を眼内の房水流出口(シュレム管)に留置し、目の中を巡る房水の自然な排出ルートを再開通させることで、安定した眼圧下降効果をもたらします。白内障手術と同時に安全に行うことができる点も大きな特徴です。
・ 目への負担や痛みを最小限に抑えて手術を受けたい
・ 白内障手術とあわせて緑内障の治療も同時に進めたい
・ 毎日の点眼薬の手間や副作用を減らし、薬を減らしたい
といった患者様にとって、非常に有効な治療の選択肢となります。
当院で実施している、iStent inject Wは、第2世代のiStent(アイステント)になります。
緑内障手術経験が豊富な医師のみ実施を許可されている手術です。

低侵襲緑内障手術「プリザーフロ マイクロシャント」
「プリザーフロ マイクロシャント」は、参天製薬株式会社よりリリースされている緑内障の進行を抑えるために眼圧を下げる低侵襲緑内障手術(MIGS)用デバイスです。
全長8.5mmの極小かつ生体適合性の高い医療用樹脂製の柔軟なチューブを眼内に留置し、房水(目の中の液体)を眼外へ効率よく排出することで、良好な眼圧下降効果をもたらします。
・ しっかりと眼圧を下げて病気の進行を防ぎたい
・手術による目への負担や合併症のリスクを抑えたい
・毎日の点眼薬の数を減らしたい
といった患者様にとって、非常に有効な治療の選択肢となります。
緑内障手術経験が豊富な医師のみ実施を許可されている手術です。



低侵襲緑内障手術「Hydrus(ハイドラス)緑内障マイクロステント」
「Hydrus(ハイドラス)緑内障マイクロステント」は、Alcon社よりリリースされている緑内障の進行を抑えるために眼圧を下げる最新の低侵襲緑内障手術(MIGS)用デバイスです。
超小型の柔軟なチタン製ステントを眼内の排水路(シュレム管)に留置し、房水(目の中の液体)の流れを改善します。
・緑内障手術の負担を減らしたい
・白内障と緑内障を同時に治療したい
・毎日の点眼薬の数を減らしたい
といった患者様にとって、非常に有効な治療の選択肢となります。
緑内障手術経験が豊富な医師のみ実施を許可されている手術です。

