2011.10.18更新
散瞳検査
散瞳とは?
散瞳とは瞳孔(瞳)が広がった状態の事を言います。
散瞳検査とは?
散瞳検査とは散瞳及び調節麻痺剤を点眼しての検査となります。散瞳薬を点眼する事によって瞳孔が開き、眼底や水晶体を十分に照らす事ができ、観察する範囲を広げることができます。
散瞳薬及び調節麻痺剤の効果は4~5時間程度続き、その間は光が眩しく、かすんだ状態が続きます。
その為、散瞳検査後、最低6時間は車やバイクの運転はしないで下さい。
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2011.10.03更新
お子様の視力検査
子供の視力は、網膜にピントがあった状態(視性刺激)が続く事で成長と共に発達していきます。成長過程で屈折異常(近視、遠視、乱視)があると良好な視力が得られません。
視力というと、一般的に裸眼視力を考えると思いますが、眼科では矯正視力も含めて視力と考えます。(矯正視力とは、眼鏡、コンタクトレンズ等の矯正器具を装用した時の見え方)眼科的には矯正視力1.0以上を健常とみなします。一般的には両裸眼視力0.7以下は眼鏡が必要と考えます。
眼鏡を作製するには完全矯正視力(正確な近視、遠視、乱視の検出)が必要です。
しかし、成長過程にあるお子様は、調節力が強く正確な屈折値(近視、遠視、乱視)が得られません。(調節とは眼前の物体を明瞭に見る為にピントを合わせる機能です)
そこで、調節力の介入を防ぐためにも調節麻痺剤及び散瞳剤の点眼薬が必要です。正確な近視、遠視、乱視の度数を得ると共に眼底異常の有無を医師が確認します。
※調節麻痺剤の作用は、点眼後20~30分後に散瞳作用より遅れて効果が現れます。
※散瞳とは、瞳が拡がることでこの状態はまぶしく感じます。
そして、調節力が麻痺すると、手元が見にくい、ぼやけるなどの症状が出ます。
この症状は個人差がありますが、4時間程度で改善されます。
尚、眼の状態(調節及び屈折)によっては、作用の強い調節麻痺剤の追加点眼する場合がございます。この場合2日程度症状が続きます。その為、後日、再検査が必要な場合があります。
このように、調節麻痺剤を使用した日には普段の見え方と異なりますので、眼鏡やコンタクトレンズを合わせることができません。後日、御来院いただくことになります。
※お急ぎの方、点眼後の症状で都合の悪い方、午前11:00、午後16:30以降に受付をされた方は調節麻痺剤を使用すると、所要時間が検査のみで1時間以上となりますので申し訳ありませんが、次回検査の予約を受付にてお願いします。
お子様の視力検査は時間のかかる検査です。検査を受けられるご本人とお付添の方のご協力が必要です。また、体調の優れない時、眠気、疲れがある時はおすすめ致しません。ご理解とご協力の程宜しくお願い申し上げます。
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2011.06.22更新
近視とは
■モノが見えるしくみ
目に入ってきた光は、角膜と水晶体を通り屈折して、網膜に像が写し出されます。目はピントを合わせるために、毛様体(もうようたい)により水晶体の厚さを調節しています。また、虹彩(こうさい)により光の量も加減します。
フィルム上に写る像も網膜に写る像も上下左右が逆さまになっています。フィルムの場合は反転させることにより正しい方向にします。目の場合は脳が逆さまになった像を正常とみなすように慣らされているので、正しい方向で見えるように感じます。
○正視
正視では、近いところを見るときは点線のように水晶体がふくらみ、網膜にピントが合います。
○眼軸の長さが長すぎる場合
眼軸の長さが長すぎると、遠くを見たときに水晶体を十分薄くしても、網膜上でピントが合いません。網膜の手前でピントが合ってしまいます。このような近視を軸性近視(じくせいきんし)と呼びます。大部分の近視は軸性近視です。
○角膜・水晶体の屈折力が強すぎる場合
角膜・水晶体の屈折力が強すぎると、遠くを見たときに網膜上でピントが合いません。網膜の手前でピントが合ってしまいます。このような近視を屈折性近視(くっせつせいきんし)と呼びます。
■近視の原因
近視の原因は現在のところ、よくわかっていませんが、遺伝的な要素と環境が関係すると考えられています。
○遺伝的な要因
親が近視の場合、子どもが近視になる可能性は比較的高く、遺伝的な要素が複雑に絡んでいると考えられます。
○環境的な要因
一般的な近視の場合、環境も影響すると考えられています。勉強、読書、パソコンなどディスプレイを見る作業を長く続けていると、目が疲れ、好ましくないのはいうまでもありません。しかし、こういったことが近視の原因になるかどうか、はっきりした証明はありません。
・成長過程に近視になる子どもが多い理由
眼軸の長さは、成長に伴い伸びていきます。新生児は眼軸の長さが短く、たいてい遠視の状態になっていますが、角膜・水晶体の屈折力が強くなっているので、それほどひどくはありません。角膜・水晶体の屈折力は、眼軸の長さが伸びるとともに弱くなり、全体のバランスが調整されるようになります。しかし、環境の影響などでこれらのバランスが崩れると、近視になると考えられています。
■単純近視と病的近視
近視は単純近視と病的近視に大きく分けられます。
○単純近視(学校近視)
遺伝や環境の影響などにより、小学校高学年~中学校くらいで始まる近視を単純近視といいます。病気というより身長や体重と同じ個人差です。在学中に発生することが多いので学校近視ともいわれ、大部分の近視は単純近視です。
○病的近視
ごく一部の近視は、幼児期の段階から始まり進行します。眼軸が異常に長くて近視の度が強いため、メガネをかけてもあまりよく見えるようにはなりません。また、眼球がかなり大きくなっているため、網膜が引き伸ばされて非常に薄くなっており、目をちょっと打っただけで、網膜の中心部がひび割れや出血によって萎縮したり、網膜が眼底から剥がれてくる「網膜剥離(もうまくはくり)」などの症状を起こします。このような近視は病的近視と呼ばれ、発生する原因がまだ不明で、遺伝が関与しているともいわれます。矯正しても幼児が、遠くも近くも見にくくしているようであれば、注意が必要です。
■近視の矯正
近視の人の矯正は、メガネやコンタクトレンズを用いて行われるのが一般的です。単純近視の場合はメガネをかければ正常の視力まで矯正できます。メガネやコンタクトレンズを作る場合は、眼科医に目の病気や異常などを検査してもらい、適切なメガネやコンタクトレンズを処方してもらいましょう。
○近視の矯正方法(凹レンズについて)
近視の矯正には凹レンズを使います。凹レンズは焦点(ピントが合う点)を遠くにする働きがあり、近視の人が適切な度の凹レンズをかけると、網膜にピントが合って遠くがよく見えるようになります。
○メガネについて
近視になったからといって、日常生活に支障をきたさなければ、すぐにメガネをかけなければならないということはありません。黒板の字が見えにくくなるというような不都合が生じてきたらメガネをかけてください。また、メガネを常にかける必要はなく、黒板や遠くを見るときなど必要に応じてかければよいのです。メガネをかけたりはずしたりしても、近視の度が進むようなことはありません。
○コンタクトレンズについて
コンタクトレンズは角膜の表面に接触させて用いるレンズで、メガネをかけたくない人に好まれています。左右の視力に差がありすぎてメガネが使えない場合も矯正でき、メガネのように曇ったりせず、視野が広くなるという優れた点があります。しかし、慣れるまでに時間がかかる、異物感がある、角膜を傷つける場合があるといった欠点もあるため、使用するときは眼科医と相談の上、決めましょう。また、レンズの取り扱いや管理などが大変なので、小学生の間はメガネをかけることをおすすめします。
■近視の治療
近視の治療には、点眼薬を用いる方法と手術的方法があります。点眼薬は、近視状態が一時的な場合に用いられることがあり、また、手術的方法の場合はその安全性を十分に見極める必要があります。これらの方法で治療するときは、眼科医に納得のいく説明を受けてからがよいでしよう。
○近視の治療について
点眼薬を用いる治療法は、近視になりかけの偽近視(仮性近視)の時期に行われることがあります。偽近視は近くを長く見続けた結果、毛様体筋が異常に緊張して水晶体が厚くなり、一時的に近視の状態になっていると考えられるときで、目の調節を休ませる点眼薬を用いる場合もあります。
手術的方法には、角膜周辺部分を放射状に切開する「放射状角膜切開術」やエキシマレーザーを用いて角膜の中心部分を削る「レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)」、「レーザー角膜内切削形成術(LASIK)」などがあります。しかし、強度の近視では効果が弱く、また、安定した視力が得られない場合や後遺症が残る場合もあります。治療を受ける場合は、十分説明を聞いて納得してから受けましょう。
○病的近視の治療について
病的近視は、現在のところ有効な治療方法がなく、研究が続けられています。網膜剥離や眼底出血などが起こらないように注意し、起きた場合は早急に手術する必要があります。
(参天製薬さんより引用)
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2011.06.22更新
遠視について
■遠視と老眼のちがい
遠視は網膜の後方でピントが合うという屈折異常であり遠くについては調節力が足りてみえるが、近いところで調節力が不足し見えないのに対し、老眼は老化による調節機能の低下で調節できる範囲が少なくなり、遠くが見える人は近くが見えなくなり、近くが見える人は遠くが見えなくなります。
目に入ってきた光は角膜、続いて水晶体(カメラのレンズの役割を果たします)を通って屈折し、眼球の奥にある網膜(カメラのフィルムの役割を果たします)に到達します。網膜でピントがあうように水晶体の厚さを調節します。
目の屈折状態は眼軸の長さとレンズである角膜・水晶体の屈折力によって決定されます。眼軸の長さが長すぎたり、短すぎたりすると、遠くのモノが網膜にピントが合わなくなります。これが屈折異常です。
■遠視について
(1)目に入ってきた光は眼軸が短いため、調節を休ませたとき、網膜の後ろにピントが合ってしまいます。
(2)遠いところや近いところを見る場合、より多くの調節を要し、網膜にピントを合わせることになります。
遠視とは、まったく調節しない時に網膜の後方でピントが合うため、遠くを見る時は少しの調節で見え、近くを見る時は強く調節をしないとはっきり見えない目のことです。遠くでも近くでも調節が必要になり疲れやすい目です。
○子どもの遠視
子どもの場合、遠視であっても調節力が強いため、症状が現れない場合が多いのですが、軽度の遠視でも年をとるにつれ、また強度の遠視になると次のような症状が現れます。
・絶えず目の調節を必要とするため、目と身体が疲れやすく、集中できずに学習や仕事の能率があがらない
・遠視の度が強くなると、内斜視になったり、視力の発達がまだ不十分な小児の場合、弱視になったりする
内斜視:
強度の遠視では、はっきり見るために余分な調節が必要なので、目が寄ってきて内斜視になります。
弱視:
強度の遠視では、調節の努力をしてもピントが合いにくくなります。小児では、この状態のまま、矯正しないでおくと視力の発達が止まって弱視になります。
■遠視の矯正
強度の遠視や老眼で近くが見えにくく、日常生活が不便な場合はメガネを用いて矯正します。
遠視の矯正には凸レンズを使います。凸レンズは光を集め、屈折力を強めるように働くので、網膜の後ろで像を結ぶ場合の矯正に用いられます。
近視の人は老眼にならない?
一般に、近視の人は老眼になるのが遅く、遠視の人は老眼になるのが早いといわれていますが、この考えは正しくありません。
近視の人は老眼になっても、正視、遠視の人と比べて、もともと近いところにピントが合っているので、その分だけ水晶体の調節を必要とせず、見かけ上、老眼になっていないようにみえます。
また、近視の人は、近視用のメガネをかけた状態では、正視の人と何ら変わることはありません。近いところを見る場合には、正視の人が老眼鏡をかけるのと同じように、近視用のメガネをはずしたり、度を下げたりすることにより対処します。
遠視と老眼は違うものですが、どちらも目の疲れを中心とした症状に、身体の疲労が加わります。近くを見る作業を長く続けると、目や身体に疲れがたまります。あまり目が疲れやすいようであれば、眼科医に相談してみましょう。
○多焦点レンズ(遠近両用レンズ)
多焦点レンズは、1枚のレンズに近用と遠用の2つの焦点を持ち、近視でかつ老眼の人には大変便利なものです。しかし、めまいや視力不良が現れる場合もあるので、眼科医に相談した上で利用しましょう。
(参天製薬さんより引用)
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2011.06.22更新
乱視について
■乱視とは?
乱視とは、屈折力が屈折点により異なるために、焦点を結ばない状態のことを言い、正乱視と不正乱視とに分けられます(図 17)。
正乱視は角膜や水晶体のカーブが方向によって違うため(例:ラグビーボール)、屈折力が縦と横、あるいは斜めで異なり、焦点を一点に合わせることができません。主に角膜のひずみが原因ですが、近視や遠視と組み合わさって起こる場合がほとんどです。正乱視があると一方向の線のみが明確に見えますが、他の方向はぼやけて見えます(図 18)。
不正乱視は炎症やケガなどによって角膜表面に凹凸が生じたために正常に像が結ばれない状態を言います。
■屈折異常の治療
屈折異常の治療法としては、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が用いられますが、最近では屈折矯正手術が選択されることもあります。
眼鏡やコンタクトレンズ、屈折矯正手術にはそれぞれメリット、デメリットがあり、患者さん一人一人の病態や生活スタイルなどを考慮して選択されます。
■乱視の治療
正乱視は円柱レンズの眼鏡やコンタクトレンズで矯正できます。眼のひずみと逆方向にひずませる円柱レンズにより焦点を合わせます(図 21)。
不正乱視は角膜の表面に凹凸があるため眼鏡では矯正が不可能です。コンタクトレンズで矯正されますが、矯正にはハードコンタクトレンズの方が適しています(図 22)。コンタクトレンズで矯正できない場合は屈折矯正手術または角膜移植を行います。
(参天製薬さんより引用)
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2011.06.04更新
流涙症について
涙は目の表面を乾燥させないようにするために必要なものですが、一定の潤いを維持することは決して容易ではなく、涙液が少なすぎるとドライアイ、多すぎると流涙症となります。
流涙症があると、正常な眼機能があっても物が潤んで見えにくくなるため、生活に支障を来したり、ハンカチが手放せなくなったりします。
目には、眼表面を潤した後の涙を流す涙道があります。これは、涙腺が目頭付近にあって、そこで作られた涙液が眼表面を潤した後に流れ込む涙点から始まり、涙小管を通って目頭の奥にある涙嚢にいったん溜まり、さらに鼻涙管を通って鼻の奥に流れ去ります。
通常、流涙症はこの涙道の一部が閉じることで起こり、涙嚢より上流で閉塞すると流涙症を、涙嚢より下流で閉塞すると流涙症に加え、涙嚢の中に膿がたまる涙嚢炎を起します。
涙道閉塞の治療は、閉塞の場所や閉塞してからの期間により異なります。
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