
白内障の手術実績
令和06年 | 昭和57年~令和05年(累計) | |
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白内障手術 | 2,862 | 55,659 |
網膜硝子体手術 | 137 | 1,433 |
緑内障 (iStent、PFM、CYCLO G6、AGV含む) | 98 | 1,396 |
翼状片 | 201 | 4,938 |
※「白内障手術」には、多焦点眼内レンズ 143件 トーリックレンズ(乱視) 248件を含む。
白内障とは

人の目の中でカメラのレンズにあたる部分を水晶体と呼び、ここが濁ってくる病気を白内障といいます。
原因として最も多いのが加齢(老化)によるもので、一般に老人性白内障と呼ばれています。早い人では40歳代から始まり、80歳代では詳しく検査を行えば大部分の人で白内障が発見されます。その他の原因として、外傷によるもの(外傷性白内障)・生まれつきのもの(先天白内障)・薬剤の副作用・そして他の病気に続いて起こるものなどがあげられます。

私たちが目で見ている像は、角膜、水晶体を通った光が網膜面で結像したもので、水晶体が濁り始めると、かすんだり、物が二重に見えたり、まぶしく見えるなどの症状が出現します。進行すれば視力が低下します。

白内障の治療について
ごく初期の白内障は点眼薬で進行を遅らせることができる場合もありますが、濁った水晶体をもとに戻すことはできません。進行した白内障に対しては、濁った水晶体を手術で取り除き、眼内レンズを挿入する方法が一般的に行われます。眼内レンズは手術を受ける方のライフスタイルに合わせ選択ができます。
詳細はこちら→単焦点眼内レンズ(健康保険適応)
■健康保険適応単焦点眼内レンズ
一般的な白内障手術に用いられる眼内レンズです。遠くに合わせれば近く用の、近くに合わせれば遠く用の眼鏡が必要です。乱視が少ない方はシャープに見えますが、中等度以上の乱視は眼鏡が必要です。
■多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術
2013年10月より当院は多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術が厚生労働省より先進医療施設に認定されました。
詳細はこちら→先進医療施設
白内障手術について
白内障手術は散瞳剤(瞳孔を拡大させる点眼薬)にて散瞳した後、丹念に洗眼と消毒を行います。手術は局所麻酔で顕微鏡を使って行われますが、顕微鏡の光のまぶしさで緊張が強くなります。その対策として、当院看護スタッフが手を添え緊張緩和に努めます。手術では、点眼麻酔をはじめ、痛みに応じた適切な局所麻酔の方法が選択されますので、 痛みをほとんど感じませんが、器具などが触るような感覚はあります。超音波乳化吸引装置で白く濁った水晶体を細かく砕いて吸い出し(超音波乳化吸引術)、残した薄い膜(水晶体嚢)の中に眼内レンズを挿入する方法が主に行われています。進行した白内障は切開を大きくして水晶体を一塊のまま取り出す(水晶体嚢外摘出術)という方法で行われる場合もあります。
手術時間はおよそ15~30分程度ですが、手術が難しい例などではそれより時間がかかることもあります。また、手術中は顕微鏡の光がまぶしく感じられますが、目を急に動かすと危険ですので、手術中に指示された方を向くことが大切です。
手術後の注意点
- 当院では、術後早期から眼帯を外し、点眼加療を開始しますので、食事やトイレなどの日常生活を行うことができます。日帰り手術(※1)の場合は、しばらく休んで頂き、眼や全身に変わりがないことを確認してからの帰宅となります。
一般的に切開創が治癒するまでには、約1カ月を要すると言われており、術後の日が浅いほど、より細心の注意が必要です。手術後は、指示された薬をきちんと点眼・内服することと、定期的な受診がとても重要です。
料金について(保険診療)
■両院対応 ■おもろまち駅前院のみ対応
区分 | 手術名 | 1割 | 2割 | 3割 | ||
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K282-1-ロ | 白内障手術 | 水晶体再建術 眼内レンズ挿入する場合 (その他のもの) | 片眼 | ¥12,100 | ¥24,200 | ¥36,300 |
両眼 | ¥24,200 | ¥48,400 | ¥72,600 | |||
選定療養 | 多焦点眼内レンズを用いた | 片眼 | ¥210,000 (税込)~レンズ代のみ | |||
両眼 | ¥420,000 (税込)~レンズ代のみ | |||||
K282-1-イ | 水晶体再建術 眼内レンズ挿入する場合 (縫着レンズを挿入するもの) | 片眼 | ¥17,100 | ¥34,200 | ¥51,300 | |
K282-2 | 水晶体再建術 眼内レンズ挿入しない場合 | 片眼 | ¥7,430 | ¥14,860 | ¥22,290 |
白内障手術
区分 | K282-1-ロ | 水晶体再建術 眼内レンズ挿入する場合 (その他のもの) |
---|---|---|
片眼 | ||
1割 | ¥12,100 | |
2割 | ¥24,200 | |
3割 | ¥36,300 | |
両眼 | ||
1割 | ¥24,200 | |
2割 | ¥48,400 | |
3割 | ¥72,600 |
区分 | 選定療養 | 多焦点眼内レンズを用いた 水晶体再建術 (乱視矯正機能付き有り) |
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片眼 | ||
1割 | ¥210,000 (税込)~レンズ代のみ | |
2割 | ||
3割 | ||
両眼 | ||
1割 | ¥420,000 (税込)~レンズ代のみ | |
2割 | ||
3割 |
区分 | K282-1-イ | 水晶体再建術 眼内レンズ挿入する場合 (縫着レンズを挿入するもの) |
---|---|---|
片眼 | ||
1割 | ¥17,100 | |
2割 | ¥34,200 | |
3割 | ¥51,300 |
区分 | K282-2 | 水晶体再建術 眼内レンズ挿入しない場合 |
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片眼 | ||
1割 | ¥7,430 | |
2割 | ¥14,860 | |
3割 | ¥22,290 |
上記の手術は入院料・検査・診察・点滴・薬・部屋代含まず ※選定療養多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術はレンズ代のみとなります。手術手技費用及び診療は保険診療水晶体再建術費用が別途加算されます。詳細は医師スタッフへご相談下さい。
※選定療養の表示金額は手術に眼内レンズ費用のみです。手術手技、薬剤等は保険診療となります
※入院及び諸費用は含まれません。
※自由診療表示金額は眼内レンズ輸入代行、薬剤、手術手技、眼内レンズ費用、術後3カ月の診療及び検査料金が含まれます。
※術後の薬剤費は含まれません。

通院 経過
- 手術後良く見えていても、術後の傷が完全に治癒するまでには約3カ月かかります。傷は小さくても感染する可能性がありますので、術後の通院と点眼は必ず3カ月間は続けて下さい。異常を感じたら、定期検査以外でも早めに来院するようお願い致します。
- 術後3カ月経過しても眼内レンズが挿入されていますので、経過観察のため年に1、2回の受診が必要です。
尚、白内障以外の眼疾患で点眼薬をご使用の方は、そのための定期的な通院加療が必要となります。 - 眼鏡合わせは、術後経過が落ち着くまで(約1カ月)出来ません。眼鏡をお急ぎの方は医師とご相談下さい。
- 術後の見え方は、元々の眼疾患によって(乱視・角膜白斑・視神経萎縮・黄斑変性・網膜症・緑内障等)も個人差がでてきます。
白内障手術を受ける方へ
1予約
白内障手術は以前、2~3日の入院が必要な手術となっておりましたが、医療技術や医療機器の進歩により日帰り手術(※1)も可能となりました。
当院では、日帰りか1泊入院するかを選択することができます。
いくつか確認事項がありますのでご協力下さい。
- 他科(内科 循環器内科 整形外科など)の通院歴
- 術後、翌日からの通院が可能であるか
- 術前検査(眼内レンズの度数決定、心電図、手術の説明 採血結果 その他)を手術日以前に受けることができるか
- 各種保険の確認
2手術当日
- 当日は、指定された時間に来院して下さい。(お化粧やネイルなどはしないで下さい)
- 手術に必要な内服薬の服用、点眼薬(抗菌、抗炎症剤)を点眼して頂きます。また、スタッフが散瞳剤を点眼します。散瞳剤は何回か点眼し、瞳孔が大きく開いたら手術の準備をします。
- 準備室では、帽子とガウンを着用して頂き、血圧測定、モニター心電図装着、耳栓、消毒、点眼麻酔を行います。
- 分からないことがありましたら、お気軽にスタッフにお尋ね下さい。
3手術
- 手術は、個人差はありますが基本的に痛くありません。点眼麻酔下で行う手術ですので意識もあります。痛みがある場合には我慢なさらずに声をかけて下さい。麻酔の追加をします。
- 手術をスムーズに進めるために、正面や上下左右を見るよう指示しますので、その際は両眼を開けた状態で顔は動かさずに、眼だけを動かすようご協力をお願いします。
- できるだけリラックスした状態で、肩と首の力を抜き、眼を強く閉じようとせずに手術を受けて下さい(当院では笑気麻酔も選択できます)。
- 手術室では、担当スタッフがご案内致しますので、一緒にベッドへ移動して下さい。手術は仰向けで行います。
- 水晶体は、もともと透明な袋(水晶体嚢)の中に入っており、この袋の前面を丸く穴を開け、超音波乳化吸引装置を用いて、白く濁った中身(水晶体)だけを取り出して、透明な眼内レンズを残しておいた透明な袋(水晶体嚢)に挿入する手術です。(症例によっては、後日改めて眼内レンズを挿入する場合もあります)
- 手術時間につきましては、白内障の程度(成熟化・過熟)により長くなる場合もありますのでご了承下さい。
4手術後~帰宅まで
- 手術が終わると、診察・昼食・検査・点滴があります。昼食は気分が悪くなければ召し上がって下さい。
- 診察後は、眼帯を外した状態なので、眼を擦ったり強く閉じたり、眼に力の入ること(重いものを持つなど)は控えて下さい。
- 術後にも医師の診察があり、全て終了するのは午後16時前後になるため、日帰り手術(※1)の方はそれ以降の帰宅になります。1泊入院の方はそのまま入院室でごゆっくりお休み頂けます。
- 手術翌日は、検査・診察があります。
帰宅後の心得
点眼を規則正しく行って下さい
- 当院では、手術後の早期回復を目的として手術日に点眼薬を開始しております。眼帯を外した後は、眼をこすらないように気をつけて下さい。
- 病棟スタッフが点眼薬の使用法を説明致しますので、術後の感染を防ぐため、点眼表の通りに点眼時間、方法をお守り下さい。
- 点眼薬のびんの先が眼球やまつげに触れないように注意して、下まぶたを引いて(上まぶたは触らない)1滴だけ点眼して下さい。
- 各点眼薬は、5分以上間をあけて点眼して下さい。点眼後は、アイ洗浄綿やティッシュで、優しく目の周りを拭いて下さい。
- 手術当日の入浴は、首から下を軽めのシャワーでお願いします。洗顔、洗髪は、手術4日後から許可しておりますが、石鹸、シャンプー等が直接眼に入らないようにご注意下さい。
- 就寝時に無意識に眼をこすらないように、保護用アイマスクをお貸しします。当日は術眼を下にしたり、うつ伏せで寝るのは避けて下さい。
- 手術後、結膜下出血(白眼が赤くなる)が残る場合があります。
これは血管の走行と切開創に関係があり、手術を受けられた方どなたにでも起こりうることです。手術後約2~3週間で自然に吸収されます。 - 手術創があるため、異物感や違和感を感じる事がありますが、約1週間程度でなくなりますのでご安心下さい。
- 術後の見え方、視力改善の程度、日数には個人差があります。白内障手術前の角膜の状態(乱視、白斑等)や眼底の状態(視神経萎縮、黄斑変性、網膜症、緑内障等)も術後の見え方に影響します。
- 白内障手術後に、眼鏡が必要な方は、経過が落ち着くまで(約1カ月)眼鏡合わせは出来ませんのでご了承下さい。※眼鏡作製をお急ぎの方は医師とご相談下さい。
- 飲酒、筋トレや激しい運動、プールや温泉、白髪染めやパーマなどは、術後1カ月は控えて下さい。
- 仕事復帰も早期より可能ですが、職種によって異なりますので、医師にご相談下さい。
- 術後の切開創が瘢痕化して安定化するまでの間(約2~3カ月)は、定期的な通院と点眼加療が必要となります。術後、見え方が良くても眼内レンズが挿入されていますので、経過観察のために、年に1、2回の受診をおすすめします。
※その他ご不明なことがありましたら医師、スタッフへお気軽にお声かけ下さい。
※1術前術後の検査や経過観察のための通院が必要な場合があります。
当院で取り扱っている眼内レンズ
当院では様々な眼内レンズを取り扱っております。
術前検査担当者が、患者様一人一人のライフスタイルなどをお聞きしながら患者様にマッチした眼内レンズを提案し患者様自身に選んでいただきます。
多焦点眼内レンズは、画像に掲載しているもの全て選定療養多焦点眼内レンズになります。
最新の2023年2月にリリースされたClareon Vivity(アルコン社)も取り扱っております。(乱視矯正非対応)
多焦点眼内レンズは、眼疾患や長・短眼軸長や角膜形状や瞳孔径などにより不適応となる場合もございますのでご了承下さい。
詳細は医師・スタッフへご相談下さい。
※選定療養多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術はレンズ代のみとなります。
手術・手技費用及び診療は保険診療水晶体再建術費用が別途加算されます。
