2022.07.30更新
グラナテック点眼液0.4%に関しての勉強会が糸満院にて開催されました。
Rhoキナーゼ阻害薬グラナテック点眼液0.4%とは以前にもおもろまち院でのWeb カンファレンスにて御報告しましたが、緑内障・高眼圧症治療剤であり、世界初のROCK阻害点眼剤で、プロスタグランジン関連薬やβ遮断薬等の緑内障治療効果薬が効果不十分、又は副作用等で使用できない場合に検討するセカンドラインの緑内障治療薬です。
今回、約3000例を対象に安全性及び有効性に関して2年間の検討したデータ報告を提示して頂きました。
病型は狭隅角緑内障や正常眼圧緑内障患者が8割を占め、罹病歴では眼瞼炎既往が4%、薬剤アレルギー歴が4%、花粉アレルギー歴が10%で緑内障前治療薬は平均2成分でした。
眼圧下降推移は様々な病型に対して優位に下降することが確認できました。
副作用に関しては2年間で25%の発言が見られ、アレルギー性を含む眼瞼炎が8.6%と多く、結膜充血が8.5%、アレルギー性を含む結膜炎が6.3%でした。
女性や眼瞼炎既往、花粉や薬剤アレルギー歴のある患者様に多く見られ、逆に75歳以上、ドライアイ治療薬の併用、3,4成分併用している患者様の発症は少なかったです。
また続発性緑内障(ぶどう膜炎緑内障・落屑緑内障・ステロイド緑内障)に対する臨床報告もあり、眼圧変化ない症例は10%あったものの、20%以上の眼圧下降を認めた症例は6割を占め、ぶどう膜炎緑内障患者は大幅な眼圧下降を認めていました。
眼圧下降においては非常に有用な点眼薬ですが、処方の際には患者既往歴、背景の認識の
重要性を感じました。
眼瞼炎に対しては、点眼後眼の周りについた液は洗眼や、タオル、ティッシュで優しく拭き取る、夜の点眼は入浴前のタイミングにする、等の指導を行う。
結膜充血に関しては薬理作用による血管拡張に起因するもので、ピークは5~15分、1~2時間程度で元の状態に戻る事、点眼毎に繰り返す、朝の点眼は外出時間考慮し早めの点眼
指導する、パンフレットや小冊子を用いて本人、家族に理解を深めてもらう様、努める。
今回の勉強会で学んだことを職員全員で共有し、患者様に満足して頂ける医療を提供出来るように頑張って参ります。 (糸満 検査部 宮里)
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