糸満院

  • 〒901-0302 沖縄県糸満市潮平722
  • 098-994-1882

おもろまち駅前院

  • 〒900-0006 沖縄県那覇市おもろまち4丁目3-13
  • 098-868-1882

ブログ

2025.11.27更新

第3回 Ophthalmology and Neurology Joint conferenceが開催されました

2025年11月27日(木)19時から、「眼科医からみた視神経脊髄炎の診断と治療~脳神経内科との連携を含めて~」の題名で、座長:安里 良先生(安里眼科 理事長)、演者:毛塚 剛司先生(東京医科大学 臨床医学系眼科学分野 客員教授/毛塚眼科医院 院長)によるWeb講演会が開かれました。

この分野は多くの眼科医の先生が苦手とする分野でとても興味深く拝聴しました。個人的には視力は良いがフリッカー値が下がっているなど、患者本人の見え方の自覚がまだ良くて検査結果で感度が低下している場合は、どのタイミングで基幹病院に紹介するのが良いかなど疑問に思っていました。

視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)とは、自分の細胞を間違って攻撃してしまう「自己免疫疾患」のひとつで中枢神経系の病気です。主に脳や脊髄、視神経に炎症が起こるのがこの病気の特徴で、人によって炎症が起こる場所が違うので症状も様々です。症状が急に進むので、できるだけ早く、神経内科などの専門医がいる病院への紹介が必要になります。

中枢神経系は、神経細胞と血管、グリア細胞で構成されています。視神経脊髄炎(NMOSD)は、アストロサイトが炎症で傷つくことで神経の働きに影響がでます。そのため、体を外敵から守る免疫の仕組みに異常が起こり、自分自身の脳や脊髄の細胞を攻撃して壊してしまいます。アストロサイトの足突起には、水分子の出入りを調整するアクアポリン4(AQP4)というタンパク質がたくさんあり、免疫異常によって増産されている自己抗体(AQP4抗体)がこのタンパク質をターゲットとして攻撃します。

視神経の炎症で起こる症状としては、急激な視力低下や視野欠損などがあります。はじめは目がかすむぐらいの自覚ですが、その後数時間から数日間で生活に支障をきたすほど進んでしまうことがあります。視野が欠ける、色の区別がつかない、まぶしい、目の奥が痛いなどの症状が出ることもあります。脊髄の炎症で起こる症状としては、麻痺や脱力(運動機能障害)、しびれや痛み(感覚の障害)などが現れます。この病気は重い急性期症状と1年に1~1.5回の再発を繰り返して進行します。1回の発作で失明や歩行障害などの症状が残ることもあり、再発を繰り返すと後遺症が増え重症度が進んでしまいます。

中外製薬からリリースされた「エンスプリング」という薬剤は、視神経脊髄炎(NMOSD)の再発予防に使われる注射液(一般名:サトラリズマブ)で4週間に1回の皮下注射で自己注射も可能であり、インターロイキン6 (IL-6)という物質の働きを抑えることで病気の悪化を防ぎ再発を予防する目的で使用されます。エンスプリングはAQP4抗体陽性の成人および小児の患者さんを対象としています。治療開始時は、初回、2週後、4週後と投与し、その後は4週間隔で皮下注射します。ただ呼吸器や尿路感染のリスクがあがる、血球減少やアレルギー反応など様々な副作用もあるため、当院では採用しておりません。当院で視神経脊髄炎(NMOSD)を疑った場合は近隣の那覇市立病院へご紹介させて頂いています。今後も神経内科医の先生とも連携をとりながら、患者さんの治療に取り組んでいこうと思います。(担当:安里)

投稿者: 安里眼科

SEARCH

ARCHIVE

CATEGORY