2021.06.26更新
第36回JSCRS(日本白内障屈折矯正手術学会)学術総会へ参加しました
6/25(金)~27(日)まで総院長安里 良先生とスタッフが第36回JSCRS学術総会/日本白内障屈折矯正手術学会へ参加しております。JSCRSデータ解析委員会による白内障術前生体計測データ・最適眼内レンズ計算式の他施設比較研究の報告もあり、沖縄を担当した安里眼科おもろまち駅前院のデータも研究報告されるとのことです。生体計測の地域差がどのように解析されたか報告を楽しみにしています。(担当 玉城)
6/26日(土)にJSCRSデータ解析委員会による特別報告がありました。北里大学の神谷教授から白内障術前生体計測データ・最適眼内レンズ度数計算式の他施設比較研究の検証結果がBr J Ophthalmolで文献となる報告がされました。本研究には安里眼科おもろまち駅前院も前眼部OCTの機能付きの光学式眼軸長測定器ZEISS社のIOLマスター700と前眼部3次元画像解析装置TOMEY社のCASIA2を有する施設として、沖縄の生体計測検査に協力させて頂いていました。検証結果より
国内12施設間の術前バイオメトリーには、ほぼ全て有意な地域・施設間差異を認め、特にIOL度数計算で重要な眼軸長、角膜屈折力、前房深度は差異が大きい。角膜乱視は唯一施設間の差はなく平均値0.9D程度であった。
Barrett式は、SRK/T式に比較して予測性に優れる施設が多かったのですが、一部の施設ではSRK/T式が優れるという結果でした。日本国内でも術前バイオメトリーは一定の地域・施設間差異が存在し、他施設データは応用困難であり、各施設における最適化の重要性が示唆された内容と思います。とのご発表でございました。
その中でも沖縄では前房深度が3.05mmで他施設と比較すると極端に浅いという結果でした。九州以南の方は前房深度が浅いと言われていましたが、本研究の結果で示されました。前房深度とは角膜から水晶体前面までの深さを表します。浅いことは白内障手術時の操作スペースが狭くなり難易度があがることになります。眼内レンズ度数計算式に関して Barrett式は、SRK/T式に比較して予測性に優れていたという施設が多いなか、沖縄では両計算式の優位な差はでませんでした。当院でBarrett、SRK/T式に加え、平均的な眼球サイズから外れた強度の近視や遠視の方やLASIKを受けられた方に関してもHaigis式(Haigis-L式)と角膜の前後面の全屈折力を測定できるTKメゾッド(CASIA2BarrettTK式)等、複数の計算式を用いることで、最適な白内障術後屈折の予測精度を高く保てるようにしています。全国の眼の因子の地域差と、その白内障手術屈折誤差に与える影響を知ることができた興味深い報告であり、その研究に参加できたことを誇りに思います。今後も引き続き白内障手術後屈折誤差を生じない計測、計算式の運用とデータの最適化に取り組みます。 (担当 屋宜)
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2021.06.08更新
第142回沖縄眼科集談会にて、総院長がご発表されました
去る令和3年6月6日(日)におきみゅー(沖縄県立博物館・美術館)にて、第142回沖縄眼科集談会が開催されました。当院総院長の安里 良先生が『角膜変性症患者に対する当院でのPTK(治療的角膜切除術)について』琉球大学の新垣淑邦先生座長の下で、ご発表されました。2000年にエキシマレーザーが厚労省に認可され、北里大学の清水公也教授の助言もあって、当院理事長である安里良盛先生が沖縄に初めて導入した経緯や、2010年4月より保険対象の治療になったこと、顆粒状角膜変性や帯状角膜変性に対するPTKの当院での考え方などについて詳しく話され、とても勉強になりました。患者さんの負担を考えても、顆粒状角膜変性のある方で白内障手術を希望された場合は、一度角膜専門医のいる病院で診て頂き、必要であればPTKのできる施設に初めから紹介したほうが良いと考えているとのことでした。角膜混濁が強く、白内障手術が安全に施行できないと考えられた症例は、PTKから行って強度遠視を意図的に作り、その後に眼内レンズで屈折を正視にもっていくとのことでした。他院にて既に白内障手術を数年前に施行され、PTK目的で当院紹介となった症例は、Piggy back法(眼内レンズの二枚重ね)を行い、ー7.0D前後の近視を作って、その後にPTKを行うとのことでした。このやり方は、患者さんが白内障手術を2度受けることにもなり、負担が増えることになります。基本的に眼内レンズで屈折を最終的に合わせるよりはエキシマレーザーを用いたPTK(PRKモード)で屈折を合わせた方が術後の屈折誤差が少ないとのことで、当院では白内障手術をしてー7.0D前後の近視を意図的に作り、その後PTKで混濁を切除すると同時に屈折矯正手術も行う方針とのことでした。発表した症例では裸眼視力で0.8~0.9まで見えており、術後大変満足しておりました。今後も知識をブラッシュアップさせながら様々な知識を取り入れていこうと思います(担当 城間)
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