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2021.07.03更新

新しいドライアイ治療IPLについて

今回、久しぶりの国内学会にて私自身の発表と色々な新しい知識や医療機器の勉強をしてきました。講演で良く耳にしたのが、新しいドライアイ治療(IPL:Intense Pulse Light)です。マイボーム機能不全を改善する新たな治療法として、IPL治療が登場し、海外の学会などでその効果が次々と報告され、注目を集めているとのことでした。今までのドライアイの治療法は、ドライアイ点眼の他、涙の流れの出口に栓(プラグ)をすることで涙液を留めておく涙点プラグという治療が一般的でした。これら従来の治療は、涙液の中の液層への治療でした。最近は涙の液層の表面を覆う油層を改善する治療法が登場してきました。油層のはたらきとして涙の蒸発を防ぐ役割があり、涙を安定させる、涙の表面張力を下げる、 涙の眼表面への広がるのを助ける、涙の過剰な蒸発を防ぐ、 涙を瞼縁に留める等の大切な働きがあります。この油層はまぶたの上下の縁に20~30個あるマイボーム腺という腺から産出されます。なんらかの原因でマイボーム腺がつまり、機能不全を起こすと涙の油層がうまく形成されずにドライアイを引き起こします。マイボーム腺の機能低下が続くとマイボーム腺の脱落が起こりますが、一度脱落してしまうと治療をしても回復が難しいのが現状です。マイボーム腺を詰まらせないようにしてドライアイを防ぐためには、日常のケアが大変重要です。日頃から行えるケアとして最近注目を浴びている「リッドハイジーン」という概念があります。これは体や顔を洗うのと同様に、まつ毛の根元も洗浄して清潔に保つというものです。ただ、一度詰まってしまったマイボーム腺を日常のケアで除去するのはなかなか難しいのが現状です。このマイボーム腺機能不全に対する新しい治療がIPLです。IPLは、アメリカ食品医薬品局(FDA)の認可を受けた、ドライアイを治療するための専門機器です。治療は「コールドライト」と呼ばれる特殊なフラッシュを照射することにより、マイボーム腺を刺激しドライアイ症状の解消を促します。この治療法は大きな外的ダメージが無く、眼に害を与えることはありません。(フラッシュ照射時に若干の痛みを生じる可能性があります。)実際に私自身もIPLをうけましたがレーザー照射時間は両眼10分くらいで、照射後も目の周り(奥まで)がポカポカあたたかいという印象でした。治療は計4回(3週間間隔をあける)程度とのことで、自費治療になります。当院ではまだ導入していませんが、今後情報を集めて、可能であれば検討したいと思っています。(安里)

IPL ルミナス M22

IPL 講演

 

投稿者: 安里眼科

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